釣り人の落水事故は後を絶たず、ライフジャケットのような安全確保のためのアイテムも重視されるようになりました。
そんな中でライフジャケットは性能や形状も進化し、最近は非常にコンパクトなウエストポーチタイプなども登場しています。
コンパクトになったことによるメリットもありますが、従来のベストタイプに比べたデメリットもあります。
そこで今回は、ポーチ型ライフジャケットについて、特徴や選び方から、おすすめ商品までご紹介します。

- 釣り歴15年
- 釣り具の販売経験あり
- 全国10都道府県へ遠征
北国生まれのアマチュア釣り師。前職では量販店で釣り具の販売、企画も担当。釣った魚を調理して食べるのも大好きで、美味しい魚のためならフィールド問わずアクティブに挑戦します。
目次
- 1 ポーチ型ライフジャケットとは
- 2 ポーチ型ライフジャケットを使うメリット・デメリット
- 3 ポーチ型ライフジャケットの選び方
- 4 ポーチ型ライフジャケットおすすめ10選
- 4.1 【ダイワ】コンパクトライフジャケット(DF-2220)
- 4.2 【ダイワ】ウォッシャブルライフポーチ(DF-2321)
- 4.3 【シマノ】ラフトエアジャケット(VF-052K)
- 4.4 【ヤマガブランクス】YB 自動膨張ライフジャケット ウェストポーチタイプ
- 4.5 【興亜化工】自動膨張式ライフジャケット マリンベスト(KK-11)
- 4.6 【mti】インフレータブルライフジャケット ポーチタイプ(MTI-4009 Fluid2.0)
- 4.7 【ブリーデン】ライフウエスト(自動膨張ポーチ式浮輪)
- 4.8 【EMZ-JAPAN】AQUATEX アクアテックス ポーチタイプ(lj-aq-air-manu-f)
- 4.9 【EYSON】ライフジャケット フローティングベスト 腰巻き ポーチタイプ
- 4.10 【Quoll】CE認証済 ライフジャケット 救命胴衣 バッグタイプ
- 5 まとめ
ポーチ型ライフジャケットとは
ポーチ型ライフジャケットの定義はメーカーによって変わりますが、一般的には、腰巻するタイプのものを指しています。
とりわけバッグ部分が小型のものをポーチ型ライフジャケットと表すことが多く、コンパクトさが一つの特徴と言えます。
基本的には小さな二酸化炭素ボンベを備えた膨張式を採用し、落水を感知して自動で膨張するか、手動で膨張させる構造です。
最近はポーチ型ライフジャケットの種類もかなり増えて、比較的ライトな釣りでは主流ともいえるほど普及しています。
ポーチ型ライフジャケットを使うメリット・デメリット
かつてライフジャケットと言えば、ベストのように着用するタイプが主流でした。
また、同じ膨張式でも首掛け式などもあり、実はそれぞれ安全性などにも違いがあります。
それらのタイプと比べた場合の、ポーチ型ライフジャケットのメリットとデメリットを考えて、適したライフジャケットを選びましょう。
メリット
ポーチ型ライフジャケットはコンパクトで、動きの邪魔になりにくいメリットがあります。
腰から上がフリーなので、キャスティングゲームなどでは大きなメリットですね。
本体重量も比較的軽く、腰に付けるため気になりにくいので、機動力はほかのライフジャケットよりも高くなります。
また、ベスト型や首掛け式に比べると服装の自由度も高く、気軽な装備で釣りをしたいときとの相性もいいです。
ベスト型に比べるとサイズ調整の幅も広いので、1つ用意しておくだけで、薄着のときも厚着のときもフィットさせることができます。
特に夏場においては、ベスト型や首掛け式よりも熱がこもりにくく、ウェアの自由度が高いことで体温調整しやすいのも大きなメリットでしょう。
デメリット
ポーチ型である最大のデメリットが、落水時の安定感がほかのライフジャケットに劣る点です。
ベスト型は上半身を確実に浮かせてくれますし、首掛け式も胸から水面に引き揚げてくれるイメージです。
しかしポーチ型は、浮力体が背中にあると顔が水に向く形になるので、落水後にある程度位置を調整する必要があります。
また、ポーチ型に限らず自動膨張式は、ウェーディングなど水のかかる釣りでは使用できません。
水を検知して膨張してしまうので、大雨に見舞われた時も注意したほうがいいでしょう。
膨張後も、例えばプライヤーなどが刺さると破裂してしまうこともあるので、手回り品の収納も少し工夫する必要があります。
ポーチ型ライフジャケットの選び方
ポーチ型ライフジャケットは近年人気なこともあり、様々なものが発売されていますが、どこに注目して選ぶべきなのでしょうか。
商品説明などを見るときに、チェックするべきポイントをご紹介します。
桜マークの有無
ライフジャケットは、小型船舶などに乗るときには法定備品として扱われ、国の安全基準に適合したものを着用しなければなりません。
基準に適合したものには「桜マーク」が印字されているので、桜マークの有無である程度性能の信頼性を測ることができます。
桜マークにもいくつかのタイプがあり、搭乗する小型船舶等によって適合するタイプがあるので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
なお、おかっぱりの釣りであれば必ずしも桜マークは必要ありません。
ただし、安いライフジャケットには一部信頼性が劣るものがあるのも事実なので、なるべく桜マーク認証付きの商品をおすすめします。
浮力(適合体重)
ライフジャケットには、各商品で何キロまで体を浮かせられるか性能に違いがあります。
桜マークの基準では、浮力は7.5㎏以上(小児用5㎏以上)の基準が定められており、体は水中に合っても頭が浮くように作られています。
ただしこれはあくまで桜マークの認証を受けた製品なので、おかっぱり用のライフジャケットは必ずしもこの性能があるわけではありません。
また、そういった商品は浮力でなく体重で表記されている場合もあるので、必ずチェックしておくようにしましょう。
桜マーク認証を受けた製品においても、基準以上に浮力を得られるものもあるので、確認しておくと選ぶ際に比較しやすくなります。
自動膨張式と手動膨張式
膨張式のライフジャケットには、落水を感知して浮力体を膨張するものと、着用者の任意で膨張させるものがあります。
基本的には、落水後すぐに浮力を得られるよう、また落水時に意識を失っても動作するように自動膨張式が主流になっています。
手動膨張式は何らかの理由で自動膨張しなかった場合や、その前に膨らませるための二次的な機能として付いている場合が多いです。
一部に手動膨張式のみのものもあるので、特に泳げない方や、お子さんに着用させる場合には自動膨張式のものを選ぶといいでしょう。
ウェーディングでの釣りや、雨などで濡れることの多い釣りなどでは、手動膨張式のものもおすすめです。
ベルトのサイズ調整幅
ポーチ型ライフジャケットは、主に付属のベルトで体に固定しますが、ベルトの調整幅は製品ごとに違います。
ポーチ型の場合は腰に巻いているだけなので、ベルトが正しく装着できていないと、落水したときにすっぽ抜けてしまうことも考えられます。
なので、安全のためにも確実に装着できるサイズの商品を選ぶことは必須です。
体形や、着用する服装に合わせて必要な最大幅、女性や子供の場合は最小幅も確認しておきましょう。
体の小さい方やスリムな方は、合わせてバッグ部分の幅がないものの方が、ベルトを縮めて着用したときの違和感も少なくなります。
その他のポイント
基本的なポイントは以上ですが、ほかにも細かな違いがあります。
例えばボンベがしっかり接続されているか確認できる「インジケーター」の有無は、安全にもかかわる部分です。
また、暗い場所でも車などに存在を知らせることができるリフレクターが付いているものは、夜釣りでは非常に重宝します。
一部にはバッグ部分の構造などによって、ある程度の雨除けが可能なものなどもあります。
これらは必ずしも必要でないこともありますが、使用シーンによってはあると有難い機能もあるので、チェックしておくのがおすすめです。
ポーチ型ライフジャケットおすすめ10選
数あるポーチ型ライフジャケットから、おすすめ商品とその特徴を合わせてご紹介します。
なお、今回は桜マークの有無にかかわらずピックアップしたので、法定備品として使用する場合はご注意ください。
【ダイワ】
コンパクトライフジャケット(DF-2220)
幅広い小型船舶に対応する桜マークタイプA認証で、自動・手動膨張両装備のライフジャケットです。
最近のベルト式ライフジャケットは細いですが長さがあり、どうしても巻いた時に硬さを感じやすいです。
このモデルはポーチが小さくまとまり、かつ軽いので、腰回り動きを邪魔しにくく、機動性を確保しやすいメリットがあります。
【ダイワ】
ウォッシャブルライフポーチ(DF-2321)
桜マークタイプA認証の、二次着用ポーチタイプの膨張式ライフジャケットです。
通常のベルト式との違いは、落水時に自動、または手動で膨張した浮き輪が出てきて、それを自分で着用するタイプです。
まさにポーチの中に救命胴衣を持ち歩いているイメージなので、本当の意味でのポーチ型ライフジャケットと言えるかもしれませんね。
【シマノ】
ラフトエアジャケット(VF-052K)
細かな部分までよく配慮された、実用的で着用感も良好な膨張式ライフジャケットです。
収納時はコンパクトですが、膨張した浮力体は縦に膨らむのでより浮力を得やすく、安定感も高い構造になっています。
ベルトにはゴムでテンションがかかる作りになっているので、適度にテンションがかかりつつ、きつくない作りもうれしいですね。
【ヤマガブランクス】
YB 自動膨張ライフジャケット ウェストポーチタイプ
落水時に膨張した救命胴衣が飛び出す二次着用タイプのライフジャケットで、よりこだわった作りになっているおすすめアイテムです。
救命胴衣にはチェストベルト付きでスムーズに着用でき、脱げにくい作りになっていて、インジケーター付きでボンベの状態確認も容易になっています。
その分やや値は張りますが、安全性を重視した設計にはその価値は十分にあると言えますね。
【興亜化工】
自動膨張式ライフジャケット マリンベスト(KK-11)
サイズ感や見た目もまさにウエストポーチ感覚の、二次着用タイプの膨張式ライフジャケットです。
いい意味でライフジャケットらしさがなく、ベルト誘導式で邪魔になりにくいので、着用感も良好です。
浮力も桜マークの基準を上回る10kgあり、ベルトの伸縮も130cmまで対応するので、体の大きな方にもおすすめです。
【mti】
インフレータブルライフジャケット ポーチタイプ(MTI-4009 Fluid2.0)
桜マーク認証はありませんが、二次着用タイプで手動膨張式のポーチ型ライフジャケットです。
自動膨張は落水後素早く浮力を得られるメリットがありますが、サーフや渓流でのウェーディングで濡れると誤作動してしまいます。
手動膨張式であれば濡れる前提のシチュエーションでも使用でき、多少雨が降るような場合でも安心して使用できます。
【ブリーデン】
ライフウエスト(自動膨張ポーチ式浮輪)
ライトソルトゲームで人気のブリーデンが販売する、自動膨張ポーチ式のライフジャケットです。
桜マーク認証はありませんが、バッグ部分はコンパクトにまとまっていて、ベルトも太目でなので食い込みにくくなっています。
ブリーデンの製品はデザインもよく、印象的な13のロゴや、ウェアの好みに合わせて選べる5つのカラーバリエーションもうれしいですね。
【EMZ-JAPAN】
AQUATEX アクアテックス ポーチタイプ(lj-aq-air-manu-f)
貿易商社が展開する製品で、同シリーズにはグッドデザイン賞を受賞するものがあるほど本格的なライフジャケットです。
桜マーク認証はありませんが、国際規格であるCE認証を受けた商品で、性能的にも信頼性があります。
この価格帯としては珍しく、専用の交換用ボンベセットも別途販売されているので、長く使うことを考えても安心ですね。
【EYSON】
ライフジャケット フローティングベスト 腰巻き ポーチタイプ
非常にコスパがいい自動・手動膨張式のポーチ型ライフジャケットです。
見た目や作りはシンプルで、桜マーク認証はありませんが、CE認証を受けており、浮力などの基本性能も十分得られます。
やはりなにより安いのが魅力なので、複数用意したり、あまり使用する回数が多くない場合には大きなメリットになりますね。
【Quoll】
CE認証済 ライフジャケット 救命胴衣 バッグタイプ
こちらも非常にコスパに優れた、二次着用タイプの手動膨張式ポーチ型ライフジャケットです。
桜マーク認証はありませんがCE認証を受けており、大型の浮力体で耐荷重は110kgと高い浮力を得られるのも魅力です。
手動式なので水に濡れるリスクがある釣りでも使いやすく、比較的落水リスクの少ない釣りで重宝します。
まとめ
ライフジャケットも年々多様化し、ポーチ型ライフジャケットは中でも着用しやすいタイプです。
ほかのタイプのライフジャケットのメリットも踏まえながら、ポーチ型ライフジャケットを活用して、快適で安全に釣りを楽しんでくださいね。
ポーチ型ライフジャケットの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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